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前を向かされた。腰を持たれ、洗面所へと座らされる。冷たい、と脳が判断を下したときにはもう、唇は塞がれていた。一生、この愛を貫いて生きていくのだろう。悪くはない。求めていたこの道。自分で選んで切り開いたこの道。――その先には、きっと、絵画で見るような美しい世界が、広がっている。このひととなら、生きていける。
あまいあまい接吻の嵐を浴びながら、そのことを。――生きていることの意味を、感じていた。永遠にわたしは、隣人を愛し、生きていく。
―本編・完―
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