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「なに?…これ…?」 目に届いた文章が 日本語であるはずなのに 理解するのに 時間を使ってしまう。 [今日楽しみだねー!] 既読4 [スコップは人数分用意してるよ] 既読4 [今回はどんな美人さんだ?] 既読4 [タクロウ殺し方エグいときあるからな 今回は毒殺か?それとも撲殺か?w] 既読4 [なぁタクロウ?そういや今日も殺る時 動画取っておいてくれよその方が 埋める時、怯えた顔と悲鳴 思い出しながら埋葬出来るからww] 既読4 戦慄する内容のチームのグループの メッセージで スマホ画面は埋め尽くされていた。 信じたくはなかった タクロウが私利私欲の為 私を生贄にして 殺しを行おうとしている それも見ず知らずの人に 共有されながら。 いやいや…これは嘘で なにかサプライズでもあるんじゃないかと 正直にこのメッセージ何なの?と 問いただす事も考えたが この内容が本当であった場合 私は有無を言わす隙も与えられず 命を奪われる可能性がある… さっきまで感じていた 照れの感情が血の気が引くように 姿を消していくのが分かり 残ったのは恐怖感。 どうするべきか どうするべきか 考えを巡らせろ 何か最前の一手があるはず… アイデアがあるはず… いっその事私の方から 先手をとって殺す? いや、それじゃ 解決策じゃなく犯罪になる。 「何してんだ?ミヅキ?」 背後から何回も聴いて 耳に染み付いた 男性の声が届く。 いつもはその声を聞けば 安心感を持つことが出来たのだが 今ばかりは 心臓が止まってしまいそうな 緊迫感が感じられた。 考えすぎるあまり タクロウがシャワーに入っていることを すっかり頭から抜かしていた。 上手く息が吸えない。 胸の鼓動がいつもより速い。 振り向いてタクロウの顔が見れない。 固唾を飲むことすら、ままならない。 思考が停止してしまい 頭の中は伽藍堂。真っ白。 あぁ…私は殺されるんだ と、覚悟を決めて その場でうずくまるしかないと 考えていたが 次の瞬間 私の身体が勝手に力が入り 玄関目掛け 足早に走り出した。 その際振り向いた時に タクロウの胸あたりは 視界に飛び込んだが 顔を直視することは出来なかった。 玄関のドアを体当たりで 開けて 闇夜に包まれた冬空に飛び出した。 無我夢中で走る この辺は街灯も無いため 先の見えないゴールを走っている 感覚に陥る。 でも目的地も何も考えずに 出て来た為 がむしゃらに走り続けるしかなかった。 とにかく…あの男から…逃げないと 走り出して5分程たち 息も絶え絶えで体力も切れていたとき 目の前に小さな公園が見えた。 そこには腰掛けられるベンチが見てたため 私は公園に寄り ベンチに座って大きく深呼吸を 繰り返した。 ここまで逃げてくれば 流石のタクロウも追いかけやしないだろう。 「ブー…ブー…」 パジャマのポケットから スマホが振動する。 私はスマホを取り出し 画面をオンにする。 [タクロウさんからメッセージが届きました] どうやら タクロウが私に向けて 連絡をしてきたぽい。 私はその一文をタッチして 通知を開けてしまった。 開けるつもりはなかったのに いつもの習慣で 勝手に指が動いてしまった。 メッセージを開くと そこにあったのは 私が公園のベンチで座って 大きく深呼吸をしている 写真が添付されていた。 それに付随するかのように メッセージが届いていた。 《ごめんね。》 《ごめんね。》 《ごめんね。》 《遊びすぎたね》 《愛を育みすぎたね》 《熟しすぎたね》 《フレッシュ感がなくなったね》 《でもいいや》 《殺しちゃえば》 《ただの屍だもんね》 《ワクワクするよ》 《こんなに長い期間》 《殺すのを待ったんだから》 《ねぇねぇ》 《後ろ振り向いて》 《後ろだ》 《後ろ》 《うしろ》 私は洗脳にあったかのように 後ろを振り向く 後ろには闇に染まった 木々が風に揺られ なびいていた。 首を前に向けると タクロウが ブルーシートと スコップを持って 奇声を発しながら 本性を見せていた。、 〜終〜
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