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出会い
「はぁ〜彼氏欲しいなぁ」
悲嘆のため息を大きく吐く
赤井ミヅキは
今まで
彼氏が出来たことなく
恋愛関係に憧れを抱いていた。
カンナ、スズと私の友達は
どれも彼氏持ちで
私と会う度に
惚気話をしてくる。
その惚気話が
恋愛したいという欲に
油を注いで大きくさせる。
「はぁーーーぁ」
また長いため息を口から出すと
「ピコンッ」
手に持っていたスマホから
軽快な音が鳴る。
スマホに表示された
通知メッセージに
目を通す。
[あなたにデートのお誘いがあります。]
私が一生見ること、関係の無いと考えていた
"デート"という
女の子なら1度は夢見た
舞台の
招待状ともいえる
通知が届いた。
私はあまりにも異性との出会いが
無いため
[Love you]
という出会い系サイトに登録をした。
このLove youというアプリは
まず基本的なプロフィールを登録する。
そのプロフィールを元に
気に入った人、興味がある人に対し
デートの申し込みが出来て
恋愛関係を持てるという
SNS時代に合わせた
イマドキ恋愛マッチングアプリだ。
そのアプリからの通知に
私は横になっていたベッドから
全身に力を入れて立ち上がり
その場で
「ッッシャャーー！」
傍から見たら
獲物を狩った
肉食動物のような雄叫びを上げている
と思われる程の
喜びを表した。
早速、通知をタップして
Love youのサイトに飛ぶ。
『マイページ』に行くと
【デートのお誘いが1件あります】
と夢のような文章が
表示された。
その言葉をタップすると
デートを申し込んだ
人のプロフィールが出てきた。
名前：近藤 タクロウ
年齢：31
職業：弁護士
趣味：読書、ゲーム（パズル系）
好きなタイプ：天真爛漫な人
《最後に一言》
手前味噌ですが人懐っこい性格なので
気軽に絡んで貰えると嬉しいです！
どうか未来の彼女、嫁さんが
見つかりますように！
その文章の下に
顔写真も掲載されていた。
髪は短髪
目はキリッと鋭い男らしい目つき
鼻も逞しい鼻筋が顕著に出ていて
顔全体のバランスに深みがあって
ベテラン俳優のようだった。
私と同じ年
しかも職業が弁護士…！
お金には困らなそう…
底意地の汚い考えが
職業欄を見た時に脳内を埋めつくした。
内面がこうも崩壊してるから
彼氏が出来ないんだろうな。
でも顔もカッコイイし
趣味も読書、ゲームと
話が合いそう！
これは是非1度会ってみたい！
そう決心した私は
もう一度
『マイページ』に戻り
画面下にある
《デートのお誘いを承諾しますか？》
YES or NO
迷いなくYESのボタンを押して
初デートを決めた。
これで私も晴れて
恋愛友達の仲間入りだ！
目が人生で1番に輝いているのが
自分ながらに把握出来る。
「ヒャッッホーイ！」
身体を宙に浮かせ
ふかふかのベッドに
背からダイブし
最大限の歓喜を
誰もいない部屋で
披露した。
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