告白

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告白

メッセージを送った5分後 スマホに通知が届いた。 [タクロウさんからメッセージが届いています] またもそのお知らせに 私の胸は苦しいほどに締め付けられる。 これで…ごめんなさい って言われたら もう私の恋は今日で終焉… 欠点の1つである ネガティブ思考が私の初恋を 悪い方へ運び 胸を重くさせる。 恐る恐るその通知をタッチし メッセージ画面に飛ぶ。 怯えながらタクロウさんからの返信を 覗くと 「私も好きになってしまいました」 その文に思わず2度見をしてしまった。 ”好き”という2文字が私に向けられるだけで こんなに幸福感に溢れることあるんだ… 私はその時”好き”という言葉の 恐ろしい魔力と破壊力を体感した。 相思相愛になった私達は その後も 何度かデートに行った。 水族館…テーマパーク…夜景スポット… 色んなところにタクロウさんと 行って 2人の仲はより親密に深まっていった。 私もデートの回数が多くなったおかげで お洒落にも興味を持つようになり 普段着ない ミニスカートや、ワンピースも 初デートの時と比べれば 種類も増え、着こなせるようになった。 現に友達からは 『垢抜けたね?何かあった?』 と言われるまでに 女子力を磨きまくって タクロウさんがずっと惚れ込む 女を目指した。 その甲斐あってか 6回目のデートの時 私達はレストランで夕食を済ませ その近くにある海辺のベンチに 腰を掛けて他愛もない話を していた。 「明日からも寒くなるみたいですね」 低音で響く声が 海辺の波の音とマッチして 心地よいハーモニーを奏でながら 私の耳に違和感なくすっと入ってくる。 「もう本格的に冬ですね」 口から白い吐息を 出しながら タクロウさんに繋がれている 右手に力を入れ ギュッと握りしめた。 このまま 永遠に 一緒にいられたら どんな景色を見られるのかな… そんな想像が私の中で湧き上がってしまい 繋いでいたタクロウさんの手に 力を入れてしまった。 好きな人からの”愛”を求めるかのように 求愛行動が通じたのか タクロウさんも 心無しか 強く握ってくれたかのように 感じた。 そして私の顔を 一点に見つめながら タクロウさんは 言ってくれた。 「もし良かったら、この先も一緒にいてくま せんか?」 その告白に さっきまで普通に行っていた 息の仕方を忘れてしまうほど 気が動転してしまう。 ただこの乱れも 私とタクロウさんの中で ”一緒にいたい” その願いが共通した 嬉しさで起こったものだった。 夢なら覚めないで欲しい とさえ思った。 「私も一緒にいたいです…」 タクロウさんからの 夢の告白に 間髪入れず 気持ちを正直に伝えた。 この人とならこの先の人生 何があっても 乗り越えられそう 今だって 女として成長できたんだから… 昔の私が見たら こんな人生歩めるなんて 夢にも思わないだろうな… 2人の繋がれていた手が 冬の寒さに対して 熱さを帯びていく まるで私達の”愛の強さを”表すかのようだった。
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