好奇心

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好奇心

無事パジャマに着替え形態を変えた私は 寝室のドアを壊す勢いで開き タクロウの居るリビングに 一直線に走っていった。 私は小さくジャンプをしながら この服かわいいかな?と聞くと タクロウは ミヅキにぴったりだと言ってくれた。 事前にその言葉が出ることは予想してはいたが いざ言われると照れが隠せなかった。 恥ずかしさと嬉しい感情で 大渋滞している私に タクロウは 先シャワー浴びるねと言ったあと 頭を軽く叩いてくれた。 この行動がより私を照れの渦に引きずり込んでいく。 呆然と立ち尽くしていると タクロウのスマホが短く振動しているのが 見えた。 電話だろうか…会議の連絡…? 仕事に関する事を連想していると その振動は止まったが すぐにしてまたそのバイブは始まった。 鳴り始めると同時に なんの連絡だろう? 好奇心が出てきてしまった。 見てしまっても良いよね…? 子供みたいな考えが頭に浮かんだが いやいや…社会人として 許可もなく携帯を見るのは モラルに反する。 見ないようにしよう 見ないように… 見ない… 私の意に反する考えを反芻する度に 逆に好奇心が大きく膨れ上がる。 私の彼氏なんだから 見ても大丈夫だよね! 結局 溢れ出た好奇心には 勝つことが出来なかった。 鳴り続ける タクロウのスマホを手に取り ロック画面の 通知に目を向けた。
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