序章

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私は毎日のように夢を見ていた。 元々、夢を見る体質ではあったけど。 でも、いつもの夢とは違う。 いつもよりリアル。 戦により、街そのものが燃えていて、何の罪もない庶民のみんなが逃げ惑っていて。 背中しか見えないけど、誰か武将が丘の上から街が燃える様子を見ていて・・・ 息が、苦しい・・・。 体が熱い。 まるで、自分がそこにいるような感じ。 戦場の本陣で会議しているところでも、私がその場にいるような感覚もあった。 どの人も息が白くて、どことなく寒そうで。 なんでだろう、 夢を見ているような感じじゃない。 まるで、私もその場にいるような感じがする────。 ふと、数人いる武将のうちの1人と、目があった。 私の息が、一瞬止まるかと思ったけど、その人も驚いた顔をしていて。 どうしよう。 そう思った瞬間、目の前が急に真っ白になった。 目が回るような感覚。 体がフワッと浮くような、変な感覚が同時に私に降りかかった。
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