2 恋はまるで星のようで

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「こんな……素晴らしいものを……よろしいんでしょうか」  オディーナの助言は見事に功を奏し、ルーディカは恐縮しながらも感に堪えない様子で、キールトから土産の品を受け取った。 「この飾紐も、とってもきれい……」 「オディに教わってキールトが結んだんだよ」  アイリーネがそう告げると、ルーディカは愛らしい笑みをこぼした。 「キールト様、ありがとうございます……! オディーナ様にも、お礼をお伝えくださいね」 「喜んでくれて嬉しいよ」  別荘の小さな中庭にある鳥寄せの水盤の傍らで、笑顔を交わしているふたりの姿は一枚の絵のように美しかった。  微笑ましく見守っていたアイリーネは、ふと、密かにオディーナから忠告されていたことを思い出す。 『たまには気をきかせて、二人だけの時間もさりげなく作ってあげてね』  さりげなくできるかどうか自信はないが、アイリーネは「あっ」と声を上げてみた。 「荷ほどきの途中だったんだ! 夕食までに済ませないと」  また後でねと言いながら急ぎ足で建物の中へと入り、階段を上がったところで、アイリーネはルーディカに渡すつもりだった土産の薬草の種を懐に入れたままだったことに気がついた。  引き返そうかと何気なく窓から中庭を見下ろしたアイリーネは、はっと息を呑んだ。  午後の日射しを受けて、ルーディカの髪の金色とキールトの髪の銀色が、触れ合いながら輝いている。  石造りの長椅子に腰掛けたふたりは、静かに唇を重ねていた。
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