愛するカタチ

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*** 「今日の夕飯はステーキ」 あれから数日が経った。相変わらずキミの悪い紙は続く。 いったい誰に相談をすればいいのだろうか? 私は冷蔵庫からお肉を出すと塩コショウで味付けをしてジュウジュウとフライパンで焼く。 バジルを加える。野菜を切り分け、デザートにシュークリーム。どら焼き。プリン。杏仁豆腐を食べた。 「ゲフ」 これをやけ食いって言うのかもしれない。 だとしても兎に角、食べて元気をつけるしかないじゃない。 ──ピンポーン。 「お届け物です」 夜9時を回ったころ。荷物が届いた。 ジャジャジャジャーン。 交響曲第5番ヴァン・ベートーヴェン。運命。 私は薫が忘れていったクラシックCDを聞きながら、うとうとしていた。頬についた涙の跡を拭い起き上がる。 「お母さんかな」 農家を営む実家から、時々、米や野菜、肉が届く。 「まだ、あるって言ったのに」 薫が居なくなった分、食材の減りが悪い。 まあ、肉なら野菜と違って冷凍保存が出来る。できれば肉であってほしい。とはいえ冷凍庫の中身はいつも肉でパンパンなんだが。 何せ私は肉女だと言わている。 野菜も好き。でも肉の方がもっと好き。 優香には、男は草食系の癖に胃袋は肉食ね。なんて言われた。 ついでに『薫さん草食系に見えて、あっちは肉食で凄かったりして、にししっ』と下品た笑いをしていたっけ。 どうでもいいことを思いだし、私はお届け物を受け取りサインをした。 ん?軽いな。野菜でも肉でもないのかな? がさり。 箱を開く。 「なによ。これ!」 コトっと転がった物体に私は驚愕した。 箱の中には呪いの藁人形。 腹には釘が打たれていた。 「やだ!」 箱を床に落とした。すると、箱の中から女の髪とおぼしき物が飛び出してきた。 ガタガタと私は震えた。 心が徐々に不安が浸食していく。 この悪戯、いくらなんでも、どが過ぎていない。 いったい誰が?
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