愛するカタチ

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愛のカタチは人それぞれ。 *** 友達と京都旅行2泊3日を終えて帰宅すると私はご機嫌で彼氏の薫に旅の話をした。テレビのニュースからは人気女優が電撃結婚したと騒がれている。時刻は17時58分。買い込んだ土産を机に開げる。夕飯は簡単に卵丼でも作るか。なんて思っていると薫が言ってきた。 「別れてほしい」 唐突のことに私は驚愕し土産の金平糖を床に落として散らばった。 「はい?」 パキリと落ちた金平糖を踏みつけ砕けた。 なんて脆いことか。 8年付き合っていた薫に新しい彼女が出来た。今年の春から付き合っていたと言う。 すでに紅葉も色づく季節。私、坂下美怜28歳は7ヶ月もの間そのことに気が付かなかった。 なんて間抜けなんだ。 そして言われてみて、慌ててスマホを隠す薫の姿、急な出張が増えたことを思い出す。 ああ。あの時か。 普通は気がつく所だろうが、私は彼を信じ込んでいた。 彼に限ってそんなことは無い。 なぜそんな風に思えたのだろうか。 「相手に子供が出来たんだ」 言葉を失い凍りつくと、身体中に怒りが湧いた。
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