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思わず出た本音を、あっさり冗談扱いされ、レオは苦笑いを浮かべていた。
だが、さっきとは一変、清々しい表情でレオの前を歩く結月をみれば、そんなモヤモヤした気持ちも、明後日へと消え去る。
二人歩幅に合わせながら、池の周りの遊歩道をゆっくり歩いていくと、道中、何組かのカップルや老夫婦とすれ違った。
腕を組みながら、すれ違うカップルを横目に流しながら、自分たちは今、周りからどんな風に見られているのだろうか?
そんなことが、ふと過ぎった。
文字通り、お嬢様と、その付き人なのか? はたまた、少しくらいは、恋人同士に見えているのか?
「ねぇ、五十嵐」
「?」
すると、結月が突然立ちどまり、池の中をのぞき込んだ。真面目な顔をして池を見つめる結月に、レオは何事かと首を傾げる。
「どうしました?」
「あの、この池に人面魚はいるのかしら?」
「………………」
んん!? どうした、いきなり!?
ていうか、どこから出てきた、その人面魚!?
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