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どうにもおかしかった。
コーヒー研究会というからにはコーヒー豆の匂いがすると思っていたが、全然そんなことはなかった。
きわめて、近代的な匂いが部室の中に満ちていた。
更に、変なのは、設備がないところだった。しいて言うなら、お湯を沸かすポット。それくらいしかなかった。
「あの、記者さん」
「え、あ、はい」
「大丈夫ですか。何か険しそうな表情だったから」
「ああ、大丈夫です。気にしないでください」
「それなら良かったです。えっと取材内容はコーヒー研究会の秘密ですよね」
「そうです。あんな美味しいコーヒーを作れる秘訣を教えてください」
「ふふふ、美味しいはずですわ。絶対に」
「ほう。言い切りましたね」
「口で言うよりも見てもらった方が早いですね。ねぇ、あれを持って来て」
部長が声を掛けるのと同時に一人の部員がある物を両手に持ってきた。
そこには缶コーヒーが握られていた。
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