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本当の気持ち
本当の気持ちは霧の向こう
0と1の細かい粒子の隙間
隠した本性は濃い霧が邪魔して
透かしてみようとも
君の方から僕の事は見えない
だから当然僕の方からも
君の事は見えていないし
黙っていれば君の方から
話しかけてきてくれる
そうして一つ二つ言葉を
交わしていくうちに
築き上げられていく関係性
僕の姿が見えずとも
君自身の想像力が補って
作り上げていく僕と言う人間
君にとっての
理想的で都合の良い優しい人間
僕にコピーペースト
設定後付け
構わず演じる僕と言う人間
つける嘘は800個以上
気づかれなければ
吐ける大言壮語は星の数
裏腹に隠れて好き勝手
笑おうと思えば笑えるし
泣こうと思えば泣く事も自由自在
愛の言葉だって張りぼてなのに
信じ込ませるのに造作も無く
僕と言う人間に姿形は必要無く
ただただ君の想像力のみが
君の行動力思考力を
支配して作り上げていく
僕と言う人間
僕を生き長らえさせて
くれる君の頭の中のご都合主義
夢を霧の粒子に混ぜては
解き放ち作り上げていく
虚像は醜くも美しく
離れ難い程に愛おしくて
憎たらしい程に愛らしくて
君にとっての僕は世界一優しい男
黙っているだけで貼り付けられていく
イメージが僕に生きる意味を与えてくれる
生きる価値を与えてくれる
肉体は君好み
心の有り様もまた君好み
僕はただそれを被るだけ演じるだけ
君はそれを幸せだと言ってくれる
僕はそれを幸せだと思っていると言う
そこには悪意は無いけれど
善意も無く良くも悪くも
姿が見えないからこそ
成り立つ奇妙な関係性
君の求めてる僕は
君の頭の中にいる
幸せはきっとここにある
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