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その時ばかりは死にたくない。死にたくない。と思った。身体は強ばってしまい、ちょっとした段差も登れない。
後ろを振り向いたら刺される。
男がもうすぐそこまで迫っているのに気づいていた。
息づかいさえ感じられる。
なんで。
なんで僕は…
背中にふっと力が加わった。
身体の芯から冷たさを感じる。
ナイフが抜かれると同時に後ろ向きに男の方へ倒れ込んだ。
が、男はそんな僕を避け、階段を軽快に上っていく姿が、見え、た。
この二十数年間、悪い夢を見てる様だった。
走馬灯は見なかった。
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