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わたしはおもいっきり振ったバッドにたまたまボールが当たりカッコーンとホームランを打ち小説家デビューしてしまったそんな感じなのだ。
電話口で大きな溜め息つく松木はそんなわたしの担当編集者であり中学、高校時代からの同級生でもある。
嫌みな男だけどわたしがたまたま振ったバッドにボールが当たりデビューできただけだよと言うと、
「でも、振ったから当たったんだよな。何もしなかったんじゃないだろう。二冊目も頑張れよ。ぽんこつ」と言いながらもわたしを嫌味とともに応援してくれるそんな奴なのだ。
『おい、頭のネジが一本いや二本外れてるぽんこつ俺の話を聞いているのか?』
「あ、うん……聞いているよ。ってぽんこつじゃないもん」
『何も思い浮かばないんだからぽんこつだよ。で、行くんだよね?』
「へ? 行くって何処に?」
『俺の話を聞いていたんじゃないのかよ。高校の同窓会だよ』
「はい? 高校の同窓会? 小説の話をしていたんじゃないの?」
松木はふーっと大きな溜め息をつき『小説のことも兼ねてだ』と言った。
「……そうなんだね」
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