日常

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日常

お母さんの作ってくれる朝ごはんの匂いで目覚めた。そんなわたしは幸せだなと思う。 居間に行くとお父さんが新聞を広げて読んでいた。 「お父さん、おはよう」 椅子に腰を下ろしながらわたしは朝の挨拶をした。 「おはよう、亜沙美(あさみ)」とお父さんは新聞から顔上げて朝の挨拶を返した。 「おはよう、亜沙美」 お母さんが台所から朝食を運んできた。 「おはよう、お母さん、今日は和食だね。美味しそう」 「うふふ、卵焼きと納豆にお味噌汁よ」 お母さんがわたしの目の前に置いた湯気の立った味噌汁から味噌の良い香りがふわりと立ち上る。 お母さんも椅子に腰を下ろし「いただきます」と手を合わせた。わたしとお父さんも手を合わせ、「いただきます」と言った。 味噌汁を口に運ぶとじゃがいもがほくほくしていて玉ねぎの甘みがそれはもう美味しくて心が温かくなる。 「じゃがいもと玉ねぎのお味噌汁美味しいね」 「うふふ、ありがとう。亜沙美はいつも幸せそうに食べてくれるから作り甲斐があるわ」 お母さんはそう言って柔らかい笑みを浮かべた。 「おいおい、亜沙美だけじゃないぞ。母さん、俺も旨いと思っているぞ」 お父さんは唇を尖らせて言った。 「あらあら、そうなのね。それは嬉しいわ」 お母さんは口元に手を当てて微笑みを浮かべた。 二人を眺めているとこの両親の元に生まれてきて良かったと思った。 昨夜見た夢が恐ろしかったのでよりそう思ったのかもしれない。 朝食を食べ終えわたしは二階の自室に向かう。
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