日常

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息を切らし町田駅に着くとショッピングセンターや百貨店などがあり大勢の人で賑わいをみせていた。 わたし、梅沢(うめさわ)亜沙美は東京都町田市に住んでいる二十五歳だ。町田駅は、JR横浜線と小田急線が乗り入れる多摩地域における主要駅の一つだ。 わたしは、小田急線で町田駅から電車に乗り新宿駅にあるコールセンターで派遣社員として働いている。新宿で働いていると町田市は何県ですか? なんて聞かれることもある。 その度「東京都ですよ」と答える。町田駅から新宿駅は快速急行だと三十分ちょっとしかかからないのになと溜め息をつく。 だけど、町田駅の南口の半分は神奈川県になっているし町田から東京の都心部へ出るのには必ず神奈川県を通過するという不思議な地理の地域なのだ。 電車の車窓から新宿の高層ビルが見えてきた。今日も流されるように電車から降りる。仕事なんてしたくないなと溜め息つきながら職場へと向かう。 それに昨夜見たあのオレンジ色の提灯が頭から離れなくて憂鬱な気分でビル街を歩く。それに松木からのメールにもげんなりする。
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