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『どんな料理音痴でも理解できる本』
そう書かれた表紙にはデフォルトされた二人のコックス型の男の子と女の子が写っていた。
「本当にこれで分かるのかな」
一人暮らしも早半年。今更ながらに料理の腕を上げるべく、一人の青年が本と向き合っていた。
「一通り見てみるか」
青年はページをパラパラとめくった。
生姜焼き。豚肉の仕込みをする可愛らしいブタのコック。
天ぷら揚げ。野菜と魚を油にぶち込んでいる可愛らしいエビのコック。
親子丼。卵をせっせとといでいる、ニワトリのコック。
極めつけは、出来上がったステーキを美味しそうに食べているウシのコックと後片付けをするカッパの絵だった。
そこで青年は本を閉じた。
「……さて、今日の晩御飯は」
一つためを作り、言った。
「冷凍ピラフにしよう」
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