不思議な光

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「ねえ、あなたさっき、金色の光のことを『飛行機』って言ったの?」  気づくと、辺りはすっかり暗くなっていた。  アレクはズボンについた(ほこり)をパッパッとはらいながら、光が消えていった西の空を見つめる。 「うん。あの光は飛行機だよ。僕も家の木の上から、よく見てたんだ。でも、お城の中だったらもっと高い木があるし、もっと近くで見られるかなって」 「ちょっと待ってよ。私も飛行機は何度か見たことがあるけど、あんなふうに金色に光っていないわ」  そんなはずがないと言いたげなクレナを見て、アレクは「ふふっ」と笑う。 「つい最近、この国とワルトア王国を結ぶ便ができたんだよ」 「ワルトアって、『幸せの国』って呼ばれているところよね?」 「そう。ワルトア行きの飛行機は一日に一回だけ、夕方五時に出発するんだ。光が見えるのはいつも六時くらいで、いつも同じ場所を同じように移動していくでしょう? その時ってワルトア行きの飛行機がちょうどこの辺りを通過する時間なんだ。山に沈んだばかりの太陽の光が高いところを飛ぶ飛行機に反射して、僕らがいる場所からだと流れ星みたいに見えるんだよ」
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