巨人漂着

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「お父様!」 「やはりお前が来たか、ピピ」 「巨人を近くで見たかったのです」 「視察ならグスタードが来るべきであろう?」 「誘ったら断られました」 「やれやれ。母親に似て気の小さいことよ」  神経の細いグスタードに比べてピピの豪胆な性格は父親譲り。この子が第一子であったらと国王は幾度となく思っていた。 「かように珍しい巨人を見ては、じっとしてなど()られまいな」  国王はピピの頭を撫でると、同席を許可してくれた。
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