友情リライト

これが自分宛てに書かれたメッセージだと、私は瞬時に分かった。けれど今の私には、桜ちゃんの気持ちを受け止められる自信がなかった。私は目を閉じて、どうしようと考えた。

迷った末に、何が書かれているのか知りたい気持ちが勝って、私はボタンをタップした。すると画面が反応して、新しいページが表示された。

(学校では毎日会っているのに、こうやって言葉を交わすのは久しぶりだね。あなたが私から離れて行ったあの日から、私の心はずっとぐしゃぐしゃのままです。あれから私は、どうしてあんな辛いことが起きたのか、たくさん考えました。それでね、あることに気づいたの)

そこまで読んで、私の胸の鼓動が急に早くなった。私にはここから先に書かれていることが、なんとなく分かる気がした。私は唇を引き結ぶと、再び画面に目を落とした。

(信じてくれているとは思うけど、私は、あんな書き込みを絶対にしていません。じゃあ、誰が書いたのか。これは私の推測だから、間違っていたら本当にごめんなさい)

お願い、言わないで。私の胸がぎゅっと痛んだ。ふと私の脳裏に、桜ちゃんの笑顔が鮮明に浮かんだ。私は震える手で、画面をスクロールした。

(あのコメントは、あなたが自分で書き込んだのではないかと、私は考えました。私はこれまで自分の気持ちを一方的に押しつけて、あなたを追い詰めていたんだね。本当にごめんなさい……)

涙で視界が滲んで、私はそれ以上続きを読むことができなかった。溢れた涙がぽつぽつと零れて、タブレットの画面に落ちた。ふう、というあつい吐息が喉から漏れて、私は肩を震わせた。自分の胸に手を当てて、私は呟いた。

「謝らないといけないのは、私の方だよ。あんな自作自演に桜ちゃんを巻き込んじゃって、本当にごめんなさい……」