波乱の予感

4/6
前へ
/31ページ
次へ
真琴が見せつけるように、俺の体に腕を巻き付けてくる。 外そうとするが、びくともしない。 俺も腕の筋肉欲しいけど、付かないんだよお… 自慢してるのか?何てアホなことを考えてると、真琴と目が合った。 「あの歌は、もう歌わないって決めたんだよ。」 真琴は寂しげに笑っただけで、 何も言わなかった。 寂しげな美しい顔を見たクラスメイトはもちろん騒ぎ出すわけで、俺を詰るやつとか、真琴に話しかけるやつが大量発生した。 「綾瀬くんあの平凡どういう関係なわけ?」 「綾瀬くん!僕が付き合ってあげる!嬉しいでしょ?」 「爽やかイケメン×隠れ美形とか誰得!?!?!?俺得すぎ!!!! なんか、闇がありそうなところも萌えるし、小鳥遊くんのことを綾瀬くんが俺のものアピールでホールドしてるのも萌えるし、もっとやれっっっ!」 真琴は聞こえてないのか、聞こえないふりをしているのか無言で俺の首に顔を埋めて、匂いをかいでる。 スゥーーーーーー フゥ スゥーーーーーー フゥ もう慣れたけど、これみんな引かないのかな? もう中毒者だよね。ヘビースモーカーじゃなくて、ヘビータイシュウカーとか? 痺れを切らした1人の可愛い系の子が近づいて、話しかけてきた。 「二人って、どういう関係なの?」 やっと、俺から真琴が離れた。 「俺の大切な家族なんだ、千晴は。ずっと一緒にいたから、学校違うの我慢できなくなって、転校してきちゃった!千晴がいなくなったら、俺が生きてる意味なんてないのに、離れてるなんて、おかしいでしょ?」 俺も呆れたが、それよりも周りが唖然としていた。 そりゃ、イケメンがこんなこと言い始めたら、引くよなあ。 「そうなんだね!僕も綾瀬くんの家族にしてくれる?」 …マジかよ え、何でそうなるの?顔?やっぱり顔なのか? 「ごめん。家族ってそんな簡単になれるものじゃないと思うから、無理。」 真琴が引くのかよ… ************** 「千晴、教科書見して!」 こうして、真琴とべったりの日々が始まった
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加