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真琴が見せつけるように、俺の体に腕を巻き付けてくる。
外そうとするが、びくともしない。
俺も腕の筋肉欲しいけど、付かないんだよお…
自慢してるのか?何てアホなことを考えてると、真琴と目が合った。
「あの歌は、もう歌わないって決めたんだよ。」
真琴は寂しげに笑っただけで、 何も言わなかった。
寂しげな美しい顔を見たクラスメイトはもちろん騒ぎ出すわけで、俺を詰るやつとか、真琴に話しかけるやつが大量発生した。
「綾瀬くんあの平凡どういう関係なわけ?」
「綾瀬くん!僕が付き合ってあげる!嬉しいでしょ?」
「爽やかイケメン×隠れ美形とか誰得!?!?!?俺得すぎ!!!!
なんか、闇がありそうなところも萌えるし、小鳥遊くんのことを綾瀬くんが俺のものアピールでホールドしてるのも萌えるし、もっとやれっっっ!」
真琴は聞こえてないのか、聞こえないふりをしているのか無言で俺の首に顔を埋めて、匂いをかいでる。
スゥーーーーーー
フゥ
スゥーーーーーー
フゥ
もう慣れたけど、これみんな引かないのかな?
もう中毒者だよね。ヘビースモーカーじゃなくて、ヘビータイシュウカーとか?
痺れを切らした1人の可愛い系の子が近づいて、話しかけてきた。
「二人って、どういう関係なの?」
やっと、俺から真琴が離れた。
「俺の大切な家族なんだ、千晴は。ずっと一緒にいたから、学校違うの我慢できなくなって、転校してきちゃった!千晴がいなくなったら、俺が生きてる意味なんてないのに、離れてるなんて、おかしいでしょ?」
俺も呆れたが、それよりも周りが唖然としていた。
そりゃ、イケメンがこんなこと言い始めたら、引くよなあ。
「そうなんだね!僕も綾瀬くんの家族にしてくれる?」
…マジかよ
え、何でそうなるの?顔?やっぱり顔なのか?
「ごめん。家族ってそんな簡単になれるものじゃないと思うから、無理。」
真琴が引くのかよ…
**************
「千晴、教科書見して!」
こうして、真琴とべったりの日々が始まった
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