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朝、いつもの教室の雰囲気と違って、騒がしいな〜と思っていると、何と今日転校生が来るらしい。
ついにホームルームの時間が来て、クラスの奴らが興味津々という感じで、担任が転校生を呼ぶのを待っている。
「絶対高身長のイケメンだって!!僕後ろ姿見たんだよ!?」
「いやいや、イケメンというより美人だって聞いたけど?」
「イケメンでも美人でも、美形だったらどっちでも良くね?」
「爽やかイケメン×世話焼き不良も見たいけど、美人系×毒舌イケメンも見たいなあああああああああ!!!!!」
みんな好き勝手言い過ぎてるけど、最後の奴が1番やばい
ついに転校せが入ってくるようだ。
「綾瀬、入ってこい。」
「はい。」
そいつは教壇の前に立つとにこりと笑って言った。
「綾瀬真琴です。今日からよろしくお願いします。」
「きゃああああああああああああああああ」
「え、何あのイケメン!?僕は夢を見てるのかな?誰か叩いて!」
「おうよ。」バッシン
「いっ、痛い。」
みんなにめちゃくちゃ騒がれてる転校生はニコニコしながら、こっちをガン見してくる…
嫌な予感がする…
やばい、やばい、これはやばい
「皆と早く仲良くなりたいので、自己紹介も兼ねて、弾き語りをしたいとおもいます!では、聞いてください!」
♫♪♬♪♪♫♪♫♪♫♪♫♪♫♬ ん〜 ん〜
綺麗な声のハミングとギターが鳴り出した瞬間、あれだけうるさかった教室は静まり返った。
日本語ではない言葉がメロディーに乗って、教室中に響いていた。
なんで、この曲を歌うかなっ…
ここは教室で、みんな居るのに、目から汗が出そうなんだけど…
目が合うと寂しそうな微笑みを向けられて、慌てて下を向く。
歌い終わると、みんなの興奮した声援と拍手が鳴り響いて、ホームルームが終わった。
転校せは担任に席に着くように言われると、反対側の俺の席まで来て、抱きしめてきた。
「なんで一緒に歌ってくれなかったの?」
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