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Botくん
なるほど、博学で当たり前だ。青年はガッカリしてしまった。こいつはbotだ。それもSNS上の言葉に適切に反応するチャットボットのようだ。チャットボットとは「自動発言システム」のことで、指定した時間やSNS上の特定のキーワードに対して発言するシステムのことをいう。近頃はAIも優秀で、企業の広報もSNS上の宣伝のために使っていると聞く。これだけでもSNS担当に割く人件費も節約出来る。どこの企業のbotだろうか。青年はBotくんのプロフィールを確認することにした。
SNSアイコンは初期設定、プロフィールも「よろしくお願いします」の一言だけ。それ以外はすべて白紙、真っ白なのである。
次にコメントを確認してみたのだが、青年以外にもいくつもコメントに返信を行っている様子だった。全てが「返信」で、自分から「発信」することがないのである。
その返信もジャンルが多岐に渡っていた。SNS上にズラリと並ぶBotくんが行う数多の返信を見て、ダボハゼのようにどんな話題にも食いついているような感を青年は覚えるのであった。
青年が好む「アニメ」は勿論、漫画・ゲームと言った今昔のサブカルチャーを中心に、都市伝説、オカルトホラー、小説、映画、車、健康、音楽、ファッション、ペット、スポーツ、トレーニング…… などがそれにあたる。
「どこの企業かしらんが、面白いbot作ったもんだな。ま、またご縁があれば話し相手になってくださいね?」
青年はBotくんを友達登録し、いつでもやり取りが出来るようにするのであった。
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