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「改善された頃には、坊戸くんの戻るポジションはなくなっていたんだよ。もう彼が収まるようなポストは全部埋まっていたんだ」
「ずっとここで冷や飯食いを」
「おいおい、私はその冷や飯食いの長なんだけどな…… まぁいい、否定はしない。私みたいに冷や飯をお茶漬けにしてダラダラ会社に居座る程の図太さが必要だよ? これからはね?」
この上司、すっかりこの環境に慣れきっていた。青年は「ああはなりたくない」と反面教師にするのであった。上司は続けた。
「坊戸くんだけどね。朝から晩までずっとSNSでのリサーチを続けていたよ。数多のコメントから自分にわかる話題は積極的にコメントを送っていたよ。深夜なんかは2画面で深夜アニメの実況に対してのコメントをしていたねぇ」
「深夜アニメの実況……? ですか?」
「一応、うちの会社スポンサーやってるからね。深夜アニメの実況やってる子がどんなコメントをするかってのもリサーチ対象に入っていたんだよ」
深夜アニメが放送する時間までリサーチを行わせていたのか…… 青年は寒気を覚えるのであった。
「はぁ……」
「友達登録してくれた子のコメントには積極的に返信していたねぇ。とにかくなんでもコメントをしていたよ。1の質問をすれば10ぐらいの回答で返すみたいな感じの」
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