鐘が鳴る頃に

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創作2 眠い目を擦りながら、朝の眩しい光を浴びて、朝なんだなと実感し憂鬱が襲った。眠いとにかく眠い昨日は別に夜更かししたわけではないのになんでこんなにも眠いんだろうか…、全く困ったものだ。授業中寝る度胸もないため頑張って起きるがやっぱり眠い。内容が頭の中に入ってこないので正直いる意味がない気がする。ああ眠…今日は以上に眠い…何故だか体調が悪く感じられた。 ありふれた日常の中で疎外感のあるサイレンがけたましく街に響いていた、心臓がグッと痛くなり、眠い目を擦った。朝か、そんな現状だけをぼんやりと認知した。眠すぎるいくらなんでもこんなに眠い日は久しぶりだ。 記憶を失うという能力の事を理解したのは数週間前の事だ。気づいたら水の中で一人溺れていたような感覚に陥っていた。実際は広い水槽のようなところで実験を受けていただけだった。皆は701実験というのを知っているのだろうか。昔と言ってもそこまで古くない。人体を使って人ならざるものを作ろうとした実験だ、実験結果は散々だった人体は耐えきれず腐敗した死体が転がり、生き残ってもそこらそこらあざだらけで欠損した腕や、足。中には半分丸々機械でできている者もいるようだ。現実世界に戻っても人間として認められず、散々な人生を送った。当然実験者たちは死刑となった。死刑というか殺されたのだ、人生を滅茶苦茶にされたのだから当たり前だろう。勿論世間に公表される事もなく一部のものが知る残忍な事件となっていた。 いつも通りクマのできた眠い目を擦って学校に向かった。こんなに眠くなるのならちゃんと寝ればよかった…今更後悔しても仕方ないと前に向き合おうと頑張るが正直疲れてきたのでなんとも言えない気持ちになる。すぐネガティブになるのはわたしの悪い癖だ。治せなくてはと考えたのは何回目になるのだろうか。 暗い顔をしてとぼとぼと面倒臭そうに歩いていたらまるで真逆で明るくこっちへダッシュしてくる男の子がいた。 「おーい!!!!ちょっと待って!!一緒に行こうよー!!!」 しょうがないなという様子で後ろを振り返る実際は結構嬉しいのかもしれない。認めたくはないなぁ…とそんなことを考えてる内にはぁはぁと息を漏らしながら隣を歩いていた。 「おはよう。翠は相変わらず元気だなぁ…」 翠と呼ばれた少年は、透き通るよな白髪で少し長めのまつげをぱちぱちさせて青色の目をこっちに向けてニコニコとしていた
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