君がくれたものの唯一。

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 離れた土地。  君と別れてから何年目かの春。  桜が咲く季節に、子供が生まれた。  淡い色のソメイヨシノの花びらが風に舞う。まるで、君が祝福してくれているようだと思ったのは―――流石に、現状に酔い過ぎだろうか。  この世の美しいありとあらゆるもの。カラフルな毎日。  この幸せがあること。  今ある僕の全てが、紛れもなく、君がくれたものだった。 了
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