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佳奈から連絡がきた数日後、私はミナミに宛てたメッセージをしたためていた。
サキ【ミナミちゃん。このあいだはひどいこと言ってごめんね。それに、ずっと連絡しなかったことも。ミナミちゃんに言われたことで嫌な気持ちになっちゃったのは本当。でも、その原因は私にあるの】
私はそこで一度切ったメッセージを送信した。
いまならまだ間に合う。それからそう自分に問いかけ、告白をする決心がついているかどうかを確かめた。
サキ【実は私、本当は友達なんていないの。学校にも、ここにも。フォロワーの数も隠してるけど、友達って言えるのはミナミちゃん一人だけなんだ】
最初の連絡があってからすぐに、佳奈は私のフォローを解除していた。私のほうも、そんな彼女のフォローを解除するのに躊躇いはなかった。
サキ【おばあちゃんの具合が悪くて、うちはお母さんと二人暮らしだからこっちに越してくるしかなかったんだけど、新しい環境に馴染めなくて、余裕もなくて……ごめん、こんなの言い訳だよね。いまさら都合のいいこと言ってるのはわかってる。私がこんなことになってるのはおばあちゃんのせいじゃないし、ミナミちゃんにひどいこと言ったのに変わりはないから。でも、こんな私を許してくれるなら、私はミナミちゃんと仲直りしたいです。お返事、待ってます】
祈るような気持ちのまま、私は携帯を閉じた。
ミナミからの返信は、とうとうなかった。
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