第7話 付き合い

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第7話 付き合い

純矢さんと一服していると、玄関のチャイムが鳴った。 すると純矢さんは、モニターの方を見る。 「おっ、来たで~♪」 そう言ってモニターに近寄り、マンションのエントランスを開ける。 その後玄関のチャイムが再び鳴り、頼んでいた品物が届いたようだ。 とりあえずこれで、仕分けが出来る状態にはなった。 「それじゃ、始めよっか?」 俺が純矢さんにそう言うと、 「よし、やるで~!」 そう言って、領収書の山に手を伸ばした。 とりあえず何に使った領収かは置いといて、日付毎にクリップで止めていく事にした。 純矢さんと仕分けをしていく。 あの体格の純矢さんが事務作業をしている姿を見ていると、少しおかしくなってきてしまった。、 「なんか可笑しいか?(笑)」 俺の視線に気付いたのか、純矢さんが聞いてきた。 「いや、何でもない(笑)」 「やっぱこう言う作業、ワシには合わへんかもな…(笑)」 そんな事を言いながら、作業を進めていった。 3時間くらい経っただろうか。 ようやく半分くらいは分け終わった。 一旦休憩し一服する。 「それにしても、キャバクラと風俗の領収書が多いな…。ちょっと規制せなあかんな…。」 純矢さんが、そうポツリと言った。 「純矢さんもキャバクラとか風俗行くの?」 「キャバクラは付き合いで行くこともあるが、風俗は一度きりやな…」 「風俗ってどんなところなの?」 そう聞くと、純矢さんは半笑いしながら続ける。 「ベッドが置いてあって、姉ちゃんが水着でな…。全身をいやらしい手つきでマッサージしてくるんや。もちろんチンコもな(笑)ワシ、全然興奮せぇへんで、全く勃起せんかった(笑)セックスどころか射精もせずに、時間来てもうた(笑)やっぱ異性はあかんな(笑)」 そう言って笑った。 「ワシ、湊の可愛いチンコ触っただけで、ビンビンに勃起したのにな…(笑)不思議なもんやで…(笑)」 そう面と向かって言われると、どんな顔して良いか分からなかった。 「まぁ、風俗には今後行くことないやろうな(笑)ワシには必要あらへん(笑)」 そう言って、俺のそばまで来て、俺を抱き締めた。 「こんな可愛い子が家におったら、外で遊ぶ必要もあらへん…。ワシ、仕事終わったら即帰るで(笑)」 そう耳元で言われた。 「俺も…純矢さんの事…大好きだよ…」 そう返事した。 「せや!」 突然耳元で大声を発し、鼓膜がぶち破れるかと思った。 「湊の怪我が治ったら、組の連中連れて呑み行こうや!湊の歓迎会や♪」 そう嬉しそうに言った。 「嬉しいけど…大丈夫なの?」 そう聞くと、 「大丈夫やって!(笑)どうせ経費や(笑)あっ、もちろんワシと湊は隣同士やで?(笑)」 純矢さんは目をキラキラさせて言った。 このギャップが堪らなく好きだった。 「湊、怪我の抜糸、いつか分かるか?」 「明後日には抜くよ?」 「よっしゃ♪」 すると純矢さんは、どこかに電話をかけ始めた。 「あぁワシやが…来週の金曜日、いつものところ抑えててくれへんか?ん?決まっとるやろ(笑)ワシの相方の歓迎会や♪VIPで頼むで♪ほな(笑)」 そう言って電話を切った。 「そうと決まれば、来週の金曜日呑み行くで♪あぁ、楽しみやなぁ♪」 純矢さんは子供のように笑った。 その様子を見て、とても幸せな気分になった。
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