憧れは巡る

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 屋上の縁に立った私は、ただ先輩のことを考えていた。  これまでずっと私は、先輩の背中を追い続けた。  彼女に少しでも近づきたい一心で、私は進み続けた。  そんな私の追い求めた憧れは、ここで飛び降りるという行動を取った。  それなら、この行為には意味があるのかもしれない。  彼女の軌跡を辿って、失敗したことなどなかった。  ならば、今回もきっと大丈夫だ。  だって先輩は、綺麗で、かっこよくて、優しくて、頭が良くて、運動ができて、頼りになる、私の尊敬する先輩なんだから。  ここから飛び降りれば、私はまた、先輩に近づくことができるのだ。  憧れの先輩に近づくために、私はまた一歩、足を踏み出した。
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