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うーん、結局昨日も、何か新たな有益情報はなかったなあ。 ただ、後藤といい、東匠といい、金田といい、僕(みたいな人)は、変な友達が多いなあ。 とりあいず、今は授業中。授業では特に有益な情報は得られないと思われたので、とにかく考えることに集中する。 ちなみに今は数学の授業。担当は、担任の西郷先生。 そういえば、国語も英語も理科も社会も体育も音楽も美術も技術も家庭科も、担当西郷先生だったような・・・・・・ あれ、ここ小学校だっけ、中学校じゃなかったけ。 まあとにかく・・・授業では有益な情報は得られない・・・と思っていたのだが。 突如として、僕の席に歩いてきた生徒がいた。 「ねえ翔太君、これって何?」 「ん?」 そこには大きく、 『2』 と書かれていた。 「何って・・・・2だけど?」 「2とは?」 「は!?」 何を言ってるんだ。2は2だろ。それ以上の説明を求められても無理だ。 「2だよ!数字!」 「数字?数字って0と1だけでしょ?」 その次が2だよ。いったいどうなってるんだ。 あ、思いついた。 「1+1は?」 「10」 なんでだよ! 「・・・・・・1+1+1は?」 「11」 「・・・・・・1+1+1+1+1は?」 「101」 ・・・どうなってんの!? 「ああなるほど、それは二進法だね。」 とりあいず、今日はまっすぐ家に帰って、今日の数学の時間のことを父に報告した。 かなり変わったクラスメイトに出会ったからだ。 「二進法?」 「翔太も高校に行ったら習うと思うけど、数字が0と1しかない世界の話なんだ。 我々の世界で使っているのは十進法。0から9までの数字を使って、いろんな物の数を表している。 他にも有名なのは、六十進法、二十四進法だね。60秒で一分、60分で一時間。24時間で1日。ほら、小学校のとき、翔太も時計の計算に苦労しただろ。 ここで俺は科学者として、仮説をたてる。 その1、その子の家では先祖代々二進法を使っていて、そのような家庭環境で育ったから二進法しか使えない。 その2、その子は宇宙人。 その3、その子は異世界人。」 ふむ・・・・・・なるほど。 まあ、科学 者が宇宙人や異世界を認めていいのかという問 題があるが、それは置いといて。 なんとなく状況は分かった。 この村全体で、二進法が共通進法(?)とは考えにくいな。だって、後藤や東匠は普通に、十進法を使っていたから。おそらく父の言うとおり、そういう家庭環境か宇宙人か異世界人だろう。 まあ明日にでもくわしく話を聞くとしよう。 しかし、勘だけど、僕(にそっくりな人)とは関係なさそうだな。 ちなみに、そのクラスメイトの名は二塚進二郞(につかしんじろう)といった。 確かに二進法を使いそうな名前だ。
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