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六
大事件がおきた!!
いや、もうほんと、この村にとっては大事件!!
片山のにいちゃんが、死んだ!!
え、それくらいで驚くなって?
いや確かに年齢からするとおかしくないけど。
でも、この村では大惨事だよ。この村唯一の医者だからね。
それと、片山のにいちゃんは、寿命で死んだんじゃない。
何者かに殺されたんだ!
ちなみに、今回のことで、この村には警察署が一つもなく、警察官が一人
もいないことが発覚した。
いや、確かに、散歩とかしてても、そういえばどこにも交番ないなあ~とは思っていたけど。
警察がいない村なんてあるんだなあ。
というわけで、この村では、一般人が片山のにいちゃんの遺体を搬送した。
証拠隠滅など、し放題。
この村では、犯人を見つけるなど、夢のまた夢。
この村では、推理小説が成り立たない。
とりあえず、ナイフが刺さってたから、他殺だろう程度の話。
「ふうん。」
いつも通り父に報告中。
「いやお父さん、ふうんじゃないよ!!この村唯一の医者が死んだんだよ!!もし、病気になったらどうしたらいいの!!」
「慌てるな 、翔太。その時は俺が診てやるよ。」
あんた医者じゃなくて、科学者だろ。絶対失敗するだろうし、やめてくれ。
「あー分かった分かった、じゃあ引っ越すか。」
「やだよ。」
これは即答である。せっかくこの村の学校に半年もいられて、友達もたくさんできたのに。
「なんとかならないの?お父さんの友達に、医者はいないの?」
「俺に友達はいない。」
この時僕は、ずっと友達ができなかったのは、僕が悪かったのではなく、遺伝だったのだと確信した。
あーそれにしても。
どうしたらいいんだよー
父はたよりにならないと思い、まず後藤と議論することにした。
「大変なことになったな。どうしようか。」
「うーん、これはさすがにどうしようもねえな。」
さすがの後藤でもどうしようもないか。
「君の名前は神だし、なんとかなるかと思ったのだが。」
「いやいやそれは名前だけだし。俺自身はどうすることもできねえよ。」
「そうかー・・・・・・しかし、ほんとにどうしたらいいんだ。」
すると後藤が提案してきた。
「希望は薄いが、東匠と相談してみれば?というか、お前ら呪術部だし、むしろ俺よりもまだ何とかできるんじゃないか?」
後藤の提案を受けて、次に東匠と相談することにした。
「呪術部として、何かできることはないかな。」
「うん、無理だと思う。それは神アウストラロピテクスでも、どうしようもないよ。」
そりゃそうだ、ただの猿人なのだから。
「呪術といってもねえ、なんでもできるわけではないしねえ。」
「そうかー・・・・・・いや、ますますどうしたらいいんだ。」
すると東匠が、提案してきた。
「いや、待てよ。金田ならなんとかできるかもしれない。金田か、黒服40人の誰かが。」
東匠の提案を受けて、今度は金田に頼んでみることにした。
「お願いだ、金田。なんとかしてくれ。」
「無理ね。どうしようもないわ。」
なんでだよ。たとえお前にどうすることもできなくても、ボディーガード40人もいたら、一人くらい命を蘇らせれる人がいてもおかしくないだろ。
時止められるやつすらいたんだから。
「死後二日以内なら、なんとかできたかもしれないけどね。今はもう時間がたちすぎて、なんともできないね。ちなみに、私のボディーガードの中に、医者は一人もいない。」
なんだよ、使えんやつらだな。
これで僕の友達全員に当たったことになるか。
・・・・・・いや、もう一人いたか、そういえば。
でも正直、まったく期待はできないが。
しかしまあ、一応聞いておくか。
最後に二塚としゃべることにした。
「お前には無理だな。」
「うん。僕には無理だ。」
「だろうな。」
「それより翔太君、今日はこれを教えてよ。」
『7』
「また今度な。」
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