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「龍谷!」
俺が彼を指さして言うと同時に、彼も俺を指さして言うた。
「龍谷」
バチッと合った目線で、お互いにニヤリと笑みを浮かべる。
「やっぱりな」
「そらそやろ! 醤油豚骨スープが絶品で」
「ハンパない厚切り叉焼」
「濃厚でガッツリ」
「でも二郎系じゃない」
ライブの打ち上げで、ラーメン好きだからって、ドラムのカエデさんから紹介してもらったヤツ。同い年で、長い前髪、背はデカい。パッと見はクールってかテンション低そう。でもラーメン好きならと挨拶に続いて好みのラーメンの条件を聞いてみたら、これや。
「そんなん龍谷一択やろ」
「だよな?」
「めっちゃ嬉しいわ! いつも何頼む?」
「龍谷ラーメンチャーシュー追加、餃子にビール」
「パーフェクトやな!」
完全に俺の注文と一致やん。龍谷は餃子も最高に美味い。
イッセイって名前のそいつが俺に手を差し出したから、俺はその手を握り返した。
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