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「ジリリリリリーン」
かん高い目覚し音が鳴り響く。
オレは布団から頭だけ出すと、その音のもとを探した。
それは勉強机の上にある目覚し時計であった。
「うるさい!」
右手を伸ばし、時計の頭を叩くと、音が鳴り止んだ。
「フー」
と、一息ついて、ん?と、その時計にも1度目を向ける。
針は7時半を指していた。
なんで?何故目ざまし時計なんだ?
オレはいつもスマホで目覚まし設定している。
しかもこんな針時計など持っていない。
イヤ、これは学生時代、実家に住んでいる時、使用していた時計である。
その懐かしい時計が何故ここにある?
と、部屋を見回した。
オレの家の2階のオレの部屋である。
しかしそんなハズは無い。
もうオレはここには住んでいないからである。
「昨日、飲み過ぎたかな?」
昨日は会社を残業1時間で上がり、同僚ツレ3人と近くの店に呑みにいった。
しかし、訳が判らなくなるほど呑んた訳ではない。
歩いてアパートに帰ったのをハッキリ覚えている。
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