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それなのに今朝実家で、両親も若く、自分も少女で、訳判らずパニクり、今は何年かと家族に聞いた所、平成11年だろ?と、変な顔で言われ、更にパニクった。 全く訳が判らず、気がおかしくなったのかしらと何度も思ったが、そうではないらしい。 現在は住まいの近くの洋服店に勤めに出ているのだが、行ける訳もなく、不安な気持ちでしょうがなく登校した、と言う訳であった。 「そっか…同じだな…」 と、オレも中学卒業してから現在までを大まかに説明。 そして今朝からの行動をまた語った。 「そうなんだね…なんか少しホッとした。1人じゃなかったんだ」 関村は胸をなでおろした。ホントに安心したみたいである。でも 「他にもいるのかなぁ」 と暗く呟いた。 「判んね。ウチのクラスは2人だけっぽい。でも2人は居たってことはサ、もっと居る可能性はあるよね。学校だけじゃなく、日本全国、イヤ、全世界でみれば、まだ居るんじゃないか?」 「そうよね。1クラスに2人だもの。単純に計算すると、5クラスだから10人、学校全体だと生徒だけで30人。プラス先生の中にも居るかも」 彼女の顔が始めて明るくなった。 (そんなにいるかな)とオレは苦笑した。 しかしそれをどうやって確かめれば良いのだ? 1人1人「アンタ20年後の未来から来た?」などとは聞いて回れない。 昨日までの世界なら、ネット、SNSでアップし、反応を確認すれば良い。 やはり同じ立場の人は訳が判らず、戸惑い、不安で人にも言えないで過ごすことと思う。
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