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ホームルームが終わり、皆、席を立ち始めた。
教室から出て行く者がほとんどだったが、集まってしゃべくるヤツらもいた。
関村はと言うと、一瞬オレを見て、サッサと出ていった。
オレもそのアトを追おうと思っていると
「裕一〜帰ろうぜーい」
大志が声を掛けて来た。
(そっか。コイツ、エロ本やるとかナントカ言ってたっけ)
「いや〜わり〜。今日サ、早く帰んやきゃいけなくてサ」
と、オレはカバンを持った。
「え?マジ、どうしたんだよ」
ちょっと尖った口調の大志。
「ちょっとナ」
「それ、エロ本より大事な用なのか?」
「うん、ゴメン。じゃ」
オレはそう言いながら立ち上がり、教室から出てった。
エロ本はまた今度である。
門につくと、彼女の姿が見当たらなかったので、キョロキョロとその辺をウロウロしていると、門の外に立っていた。
「ゴメンゴメン」
走ったので息が上がっていた。
「大丈夫?そこまで急がなくても良かったのに」
彼女はクスッと笑った。
なんか…ほのかな良い感じがした。
20年前は全く無かった感触である。
しかも中3の関村、以外と悪くない。
「じゃ帰ろ」
と、肩を並べ、歩きながらチラチラと彼女に目をやり
(カワイイ)
と思った。
彼女のシャンプーの良い香りも相乗効果をさそった。
気持ちはまだ35のオレが、姿は中3の彼女に恋心を抱くと言うのもどうかとは思うが、(むろんロリコンなどではない)
素直に、今まで味わったことのない癒しを感じた。
「これからどうなるんだろ、私達」
彼女が聞いて来た。
そう道幅の広くない道路で、後ろから車が来たので2人、更に路肩に寄った。
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