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「でサ、今日、昼前から会わね?どっかでメシでも食うべ」
なんか早く会いたかった。
「イイヨ」
軽く弾むような返事に、オレは良かったとホッとした。
チャリで行けるくらいの場所にデパートがあり、そこのフードコートで、なんか食うくらいの金なら小遣いで足りる。
(以前なら、月、手取り25~6万の稼ぎがあったのにな〜)
などと思いながら受話器を置くと
「オレ、昼メシ、いらねーから、オレの分、ネーチャーン食ってイイわ」
と、姉に言って座った。
「そんな2人分食べれる訳無いじゃん。夜用にしなよ」
姉は口を尖らせた後、またニヤけ顔で
「やっぱ、彼女出来たんだ〜。何?同級生?家連れて来なよ。私にも会わせてよ」
「だから違うって。もう〜、ウルサイ」
ちょっと腹がたって来たが、こういう詮索癖は姉にはあったなと苦笑した。
(オメーこそ彼氏作れっての)
と思いながらメシを口に運んでいると、姉は隣室から出て来た母に
「これから裕一、デートだから、昼ご飯要らないんだって」
とチクリやがった。
「要らないのなら、もっと早く言ってね」
母はデートと言うワードには触れず、困った表情をしただけであった。
「ワリー、夜食べるわ」
「そうして」
と、母は急いで出掛けた。
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