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4時間目が終わり、給食を食い終わったオレは、ガヤガヤした室内を移動した。
やはりもう食べ終わっていた彼女の元へ立つ。
「あのサ、関村さん…」
と、ちょっとためらいがちに声をかける。
「え?」
小柄で、幼い感じの彼女は顔を上げ、オレだと判ると燻気な表情になった。
20年前、コイツに話しかけるなどしたことが無かったから、この人がアタシに何の用?ってな、感じなのだろう。
「イヤ…なんか…体調悪そうだから大丈夫かなぁ〜って」
頭を右手でかきながら、気を使うように言った。
「あ!うん…体は何ともないよ……ただ……」
「ただ?何?」
「ううん。笠井君に言ってもしょうが無いし。大丈夫」
彼女は判るほど、作り笑いをみせた。
(お!これはもしかして?)
と、期待しながらも
「何かサ、悩みでもあるなら、こんなオレで良かったら、うちあけてよ。人に話したほうが気が楽になることもあるだろうし」
と、言ったが彼女は
「うん…」
と返事しただけで、次が出て来ない。
なので
「オレもサ、なんかオカシイんだ。頭、こんがらがってる。なんでココにいるの?何故中3なの?って。なんか不思議なことがおきてる。」
と、ジャブをかまし
「イヤ、オレ、変なヤツじゃないよ。でもコレ、夢?にしちゃーリアルなんだよな。あ、今言ったこと気にしないでね。ゴメンね」
と付け加え去ろうとしたが、すると彼女は、目をパチパチさせ、何かを訴える表情に変わった。
「え?もしかして、笠井君も?そうなの?」
(来た!やはりそうか!)
「オレ、今、中3じゃねーし」
と言うと
「だよね!だよね!絶対オカシイよね。私もう30過ぎてるんだよ。何で中学生にもどっちゃたの?」
彼女は腰を浮かし、早口でそう言うと、オレの腕を握った。
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