仔猫は甘く痺れる夢を見る

2/171
44人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
  「──うーん、『上手な男の誘い方』、ねぇ」 「…」  そう、と声に出して言わずに頷き応えると、燈真の隣でイスの背もたれに背中を預け、鼻下に鉛筆をたくわえて天井を仰ぎ見ていた遥は再び呻きながら、 「んなの、『セックスしようぜ』って言えばいいだけじゃね?」  と言って、真剣な顔つきで遥の横顔を見ていた燈真の瞳を見開かせた。  その途端。 「人の授業中に、なんつーいかがわしい話してるんだ、お前は!」  そう言う声と共に、遥の後頭部をぺしッと小気味良い音を立てて叩く音がして、更に燈真は大きく目を見開いた。 .
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!