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「──うーん、『上手な男の誘い方』、ねぇ」
「…」
そう、と声に出して言わずに頷き応えると、燈真の隣でイスの背もたれに背中を預け、鼻下に鉛筆をたくわえて天井を仰ぎ見ていた遥は再び呻きながら、
「んなの、『セックスしようぜ』って言えばいいだけじゃね?」
と言って、真剣な顔つきで遥の横顔を見ていた燈真の瞳を見開かせた。
その途端。
「人の授業中に、なんつーいかがわしい話してるんだ、お前は!」
そう言う声と共に、遥の後頭部をぺしッと小気味良い音を立てて叩く音がして、更に燈真は大きく目を見開いた。
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