511人が本棚に入れています
本棚に追加
「矢田さ~ん!飲んでくださいよ~!」
日曜日、20時に面接が終わった。
そして派遣さんを連れて来たのは近くにある居酒屋。
そこで派遣さん・・・矢田さんという名字の派遣さんが女の子達に囲まれている。
「俺は飲みません。
また夜に面接あるので。」
派遣さんが・・・矢田さんが少しも笑わず女の子達にそう言った。
「あれ?的場さん、今日は20時で面接終わりって言ってなかった?」
「そうだね~、うちの会社は終わり!!」
「俺は派遣なので。
ここの会社だけではありません。」
矢田さんはニコリともせず取り分けられた料理を平らげていく。
それには流石に苦笑いで。
同期の女の子達から、矢田さんとの飲みの席を設けるよう何度も言われていた。
昨日矢田さんとあんなことがあり、私は慌てて女の子達に声を掛けた。
そういうのは出来ないから。
私は恋とかそういうのはしたくもないから。
私はそういうつもりはないと早々に分かって貰うため、この飲みの席を設けた。
でも・・・
「的場さん、面接後の打ち合わせ。
食べながらしようと思ったけど無理なので、出ますよ。」
ここまで露骨に機嫌が悪くなられると、女の子達にも申し訳ない気持ちになる。
最初のコメントを投稿しよう!