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そんな苦手な瞳から視線を逸らす。 そしたら・・・私の小さな握り拳が目に入ってきた。 小さな小さな、握り拳が・・・。 その握り拳でもう1度この人の胸を押す・・・。 やっぱり、ビクともしなかった・・・。 それにまた泣きそうになり、微笑みながら下を向いた。 「ごめんなさい、私こういうの苦手なので。 恋愛とか苦手で。 なので、やめてもらいたいです。」 「俺も苦手だから。」 こんなに格好良くてモテそうな人がそんなことを言ってきた。 そんなことを言ってきたかと思ったら・・・ 思ったら・・・ 握り拳にしていた両手を・・・ 上からギュッと握ってきた・・・。 そして・・・ そして・・・ 「俺、的場さんのこと好きなんだけど。」 そう、言った・・・。
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