恐竜に乗れた日

17/66
前へ
/66ページ
次へ
 次の日、森君と同じクラスでなくてよかったなと改めて思った。昨日のあの状況じゃ、学校で彼を見かけても声をかけていいのかすらわからない。なんなら1組と6組、端と端だから普段はあまり顔を合わせることもないので、できれば会いたくない。もし今日も会わなくて、次の日もその次の日も会わない上に連絡もしなかったら、このまま自然消滅してしまうのかな。中学の頃、初彼氏と自然消滅しているので、上手くいかなくなっていく過程がわかってしまう。  その彼は、別に身体の関係を迫ったりしないし、デートも時々公園やショッピングモールへ遊びに行くくらいで、中学生らしい健全なお付き合いだった。それでも、ある日突然LINEがそっけなくなった。その時の彼の文体ごしでも伝わってくる気怠げな反応。メッセージを返す頻度の唐突な変わりようなどが昨日の森君とそっくりなのだ。  一年後、私の次に付き合った子とは長続きしていて校内でもラブラブだったから別に未練はないけれど複雑だった。  私だから駄目だった。って言われてるみたいで。  そして心なしか、今日はみなみちゃんも私に冷たい気がする。今の私は、人の反応に対し過敏になっているから、もしかすると勘違いかもしれない。  けれど、私がみなみちゃんのほうを向きながら席を立ち、話しかけようとするタイミングでちょうど別の友達の所へ行ってしまった。  同じグループのちゆちゃんとヤッピーがトイレから戻って来たから会話に入れてもらおうとするけど、私の知らない韓国アイドルの話で盛り上がっていたので、話に入る隙がなかった。仕方なく、行きたくもないトイレへ向かった。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加