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放課後も、森君からLINEが来ることはなかった。今日廊下で会ってしまった時、目が合ったのに無視された。その後、理科室の裏でみなみちゃんと楽しそうに話をしている所を目撃した。みなみちゃんと話をしている森君は、とても嬉しそうで、この間のエッチな鼻息なんて想像できないくらい格好つけた顔をして笑っていた。本当は森君、こういう子を彼女にしたいのだろうなってことが、今の彼を見ていると一目瞭然だった。
彼のことを考えて、あんなに喜んだり考えていたりした自分が惨めに思え、なんだか独りぼっちになった時よりも虚しさを感じた。
けれど、一番心を抉ったダメージは、すぐに身体を許せなかったことへの後悔でも、好きな人に嫌われたのかもしれないという悲しみでもなく、自分は彼よりも下に見られてしまうレベルの低い人間で、残念なブスかもしれないという、身体中の関節が強張ったような絶望感だった。
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