恐竜に乗れた日

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 私は、クラスに親友と言えるほど仲の良い友達がいない。一年の時、廊下で時々挨拶していた友達の友達同士がくっついた、スクールカースト二番目くらいのグループになんとなく属している。グループの子は、みんな成績が良く可愛いくていい子ばかりなのだけど、いまいち話が合わない。度を超えた恋バナとかできないし、冗談も悪口もあまり言えない。言ったら引かれそうな雰囲気。だから、いつも一番目のグループが話している内容を盗み聞きしている。  けれど、一番目グループは顔面偏差値や化粧や持ち物のセンス、コミュニケーション能力、スター性、全てが優れていて、全体的にレベルが高い。イケメン男子グループとも仲が良くて全員交際経験豊富の彼氏持ち。  だから、何事も普通よりちょっと上の私がずっとそこにはいられない。それでも一番目グループの友達とも個人個人では時々遊ぶし、仲良くはしてもらっている。  今付き合っているバスケ部の森君だって、一番目グループのみなみちゃんって子に紹介してもらった。みなみちゃんは、バスケ部一番人気の先輩の彼女。お洒落で社交的。髪の毛もツルツルで目も大きくて本当に可愛い女の子。ただ少し勉強が苦手だから、私が時々ノートを見せてあげている。  みなみちゃんとファミレスで勉強しながらお互いの彼氏の話をする時、なんだか私はワンランク上の女子になったように感じる。 私も、みなみちゃんのようにキラキラと可愛く見られているような、そんな気分になる。  
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