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真夏の太陽が止まる事なく、またそれを遮る物もなく日の光が大地に降り注ぐ
席が窓側の薫はぐったりと外を見ていた。それは薫だけではなく、教室のいる生徒のほとんどが机に寄りかかっていた。
(あ~クーラー…)
俺はひたすら窓の景色を見た。別に涼しくなるおまじないとかじゃなくて。風邪が吹かないかなぁと思ってね。
丁度そんな考えをしている薫のいる教室にそよ風程度の風が吹く。だが汗だくの身体には汗が冷えてとても心地よく感じた
心地よい風と共にトラックがやってきた。何台あるのだろうか?続々と学校の校門の前に停まる五台のトラックに薫は不審感を抱いた
『洋平!何かトラックが五台も停まったぞ!』
「あぁ?トラック?」
洋平にそれを伝えると隣の席にいた洋平は俺の顔の位置まで移動してきた。それが気になったのか次々と他の奴も窓を覗いた
トラックの助手席からは軍人の様な迷彩柄の服装の男達が各トラックから二人ずつ、合計十人が降り、トラックの後ろのドアから何やら大きなダンボールを持って学校に入ってきた。
「おい何だありゃ」
「何で自衛隊が?」
「つうか何なのあのダンボール?」
疑問を口々にするクラスメートの声で教室が騒がしくなった
「ほら、席につけ」
先生が注意するが騒ぎは止まない。その時一人の生徒が先生に言う
「先生、戦争でも始めんすか?」
洋平だ。洋平の顔は至って真剣だが何だか現実味がない言葉に先生は笑う
「あの帽子被った偉そうな人拳銃持ってましたが」
洋平の言葉に教室に静寂が訪れる。いや沈黙と言った方が良いのだろうか?洋平は元々並外れた視力があり、クラスの全員がそれを知っている為に頭の中に謎の疑問が浮かぶ
洋平は更に続ける
「ほら、あの軍人さん腰に拳銃差してますし」
クラスの全員が、先生までもがその洋平の視線の先に目をやる
「オイオイ冗談だろ」
「何の用なのかな」
一気に教室がざわめいた
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