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「最低限、天使について教えたりとかしなかったのって話で……」
「いや、正直言うと、それを知らない奴って発想が無かった。悪い」
「それもそう、なのかな?」
どうやら、天使についての知識というのは知らないとおかしいレベルの常識らしい。思った以上に一般常識の記憶も欠落しているのかも、と怖くなってきた。
そうなると、若干怪しげな人達であったとしても、お世話してくれそうな人達だったのは本当に良かったと思う。こういう時こそ、冷静に、色々な知識を吸収していかないと。
「こっちも、プルートにハッキリ言わなかったのは悪かったと思うよ……ゴメン。だけど今はとにかく、教えてほしいんだ。ボクが、何者なのか」
「へぇ、流石だね。相当不安なはずなのに、すごい冷静で、意志がハッキリしてる。こりゃあ想定以上に傑物だね」
「そういうのいいから」
「よろしい。まず、この世界を作ったもの、言うなれば神というのがいたの。神は二つの領域を作って、それぞれに違う生き物を住まわせた」
「それが、人と天使……ってわけ?」
イヴちゃんは、頷きかけたところでやめて、少し考え込む様子を見せた。合ってるようで、微妙といったところらしい。
「ここ、人の領域には、成長、繁栄、進化を遂げていく生き物を作って、その到達点である知性に辿り着いた生き物を人と称した。一方で、天使の領域には、最初から知性ある生き物として天使を作った。ここまで大丈夫?」
「うーん、なんとか……言い方ムズカシイよぉ……」
一つずつ、言葉の意味を噛み砕いていって解釈するのがやっと。イヴちゃんが人と定義されてる理由もこれで分かったけれど、もうちょっと分かりやすい言い方をしてほしいところ。
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