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だが、
「あっ、そうだっ。
ちょっと驚いたことがあったんですよっ」
と和香が先に違う話をはじめてしまう。
「うちの隣の羽積さんって人が可愛い赤いエコバッグを持ってるんですけどね。
今朝、押し入れからカバン引っ張り出してたら、昔、姉からもらった電気屋の景品が出てきて」
姉っ。
こっちから振ったわけでもないのに、姉の話が出てきたことに、耀は感動し。
つい、ありがとう、神様っ、とまで思ってしまう。
「箱開けてみたら、なんとその羽積さんが持ってたのと同じエコバッグだったんですよ~。
今までずっと放っておいた景品なのに、見てすぐのタイミングでたまたま出てくるとかすごくないですか?
っていうか、羽積さんって、髑髏がお気に入りのブラック系の服が多い人なのに、電気屋の景品の可愛いエコバッグ持ってるっていうのがちょっと面白くて。
可愛いなって思っちゃいました」
ははは、と笑う和香の横顔を見ながら、少し嫌な予感がしていた。
その羽積というやつ、男では?
しかも、筋肉質でいいガタイをした濃い顔のイケメンでは?
と思う耀の想像は、ほぼ当たっていた。
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