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耀は和香とともに、目の前の図書館に向かう坂道を上がっていた。
涼やかな風。
道沿いに連なる、色づいた木々からの木漏れ日もいい雰囲気だ。
横にいる和香は可愛らしく、ずっと笑顔で。
ずっと妄想を語っている……。
「あの白いおうちに住んでいる人は、図書館に通うのに便利だから、あそこに家を建てたんですよ」
いや、目の前の広い道が、何処に行くのにも便利だから建てただけだが……。
「本好きで静かに暮らしている老夫婦なんです」
だから、そのご老人たちは何処から湧いてきた。
「まあ、そんな感じに私の理想の暮らしをしている老夫婦が暮らしているはずだったんですが……」
と和香は残念そうにこちらを見た。
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