ある意味、初めての夜

93/186
前へ
/411ページ
次へ
「コンビニ弁当でも買って、うち来て食べないか?  図書館からすぐ帰れる家、憧れだったんだろ?」  それを聞いた和香は、 「あ、いいですねー」 と本から顔を上げて笑う。  ホッとしてから思った。  上司にも容赦無く物を言う自分が、なんでこんな入社して一、二年の小娘の機嫌とってんだ。  情けないな、と思いながら。  オッケーをもらって小躍りしている自分もいた。
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2411人が本棚に入れています
本棚に追加