ピー助!

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あーあ、ほんとは離れるつもりなかったのに、離れることになっちゃったんだよ。ごめんよ、ノリコさん。 一生一緒だと思ってたのに。 ……でも、ミユキちゃんたちの家にいるのも楽しかったな。ミユキちゃんってのは、このあと会った女の子のことだよ。ちっちゃい女の子。そのことはあとでちゃんと説明するよ。 とにかくそんな風に迷子になって、途方にくれて飛んでたら、突然でっかいカラスがオレを襲ってきた。 クチバシも爪も鋭くて、恐ろしいやつだった。オレはそいつの縄張りに入っていたのかもしれない。 オレは噛まれたり引っ掻かれたりしながらも、なんとか逃げきり、道ばたに倒れて、もうろうとする意識のなかで、遠ざかっていく青空を見あげた。 もう飛べない……。 こんなときは、どんなことを言ったらいいか。 キヨミばあちゃんのことを思い出していた。 『あ゛〜、疲れた。腰がイタイ! ……病院、イカナクチャ』 ちょうどそのとき、犬を散歩させていた女の子二人がオレを見つけた。 「わぁ、鳥がしゃべってる! ──ケガしてるよ。腰が痛いんだって」 小さいミユキちゃんが言った。 「鳥の腰ってどこ?」と、お姉ちゃん。「あっ、マイキー、ダメだよ! 鳥食べちゃ」 くさい犬がオレの匂いをかいでいる……。 オレは二人に拾われて、動物病院に連れていかれた。 診察の結果、オレの怪我は腰じゃなくて、脚の骨折だった。 かすり傷に薬を塗ってもらって、脚はテーピングをして、全治三週間。 痛み止めをもらったら、すぐに体は楽になった。 ミユキちゃんのお母さんが来て、そのあとオレを落とし物として届けるために、交番にも行った。 でもお巡りさんが言うには、警察で預かっても、ここで治療や飼育をする余裕はないので、その日のうちに飼い主があらわれなければ、センターに移して、保管期限後には処分されてしまう、という。 なのでお母さんたちは、とりあえず拾得物の届出だけ済ませ、ケガがしっかり治るまで、オレを家で保護してくれることになった。
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