神秘解禁

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 けっこう大きな木の枝に並んで止まると、僕の方から、 『例のジープ、乗り捨てたままでしょう?』 『あー、あのジープなら、もう一人の私が、オートバイで行って、乗って帰ったはずです』 『えっ、あなたって、もう一人いるんですか?』 『えー。次のプレミアムを希望されるお客様を、また例の池にお連れするためです』 『あー、そういうことですか‥‥』 『でも、あなたのように、ここまで来た方は、少ないかも‥‥』 『えっ、どういう事です?』 『ほら、さっき池で魚に変身したでしょう』 『えー、あの時は、さすがに驚きました』 『そう。その驚きを通り越して、パニックになっちゃって、勝手に泳いで何処かに行っちゃう‥‥なんて方もいるんですよ』 『分かります。僕も、そうなりかけてましたから‥‥』
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